恥ずかしさと悔しさあまりについ噓を

「お二人はバドミントンを始またばかりですか?」試合に負けた対戦相手に聞かれた。

咄嗟に「はい。」と答えた。パートナーが言う前に。

これは今年に初めて参加した試合のことだった。

初めて参加する大会なので、雰囲気もレベルも分からない、バド歴は年ごとに重ねていくがバド力は大して上がっていないことに自覚している。それとボコボコされたくないから一番下の4部登録で4部スタートした。

当日、組み合わせ表を見たら、4部は4ペアしかない、そうなると総当たりだけでトーナメント戦がないのだ。

楽だと思ったでしょうね、内心は少し嬉しかった。

だけど、のちに振り返った時、どうして3ペアと対戦することが楽なのか?その楽の意味って何?楽の根拠が全くないし自分にも説明ができないに気づいた。強いて言えば一勝できるじゃないかの気持ちはどこかにあったかもしれない。

結果、勝ったのは一勝ではなく1ゲームだ。(バドミントンは一試合3ゲーム、2ゲーム先取の勝ち)

力不足で負けたから仕方ないが、立ち直れないほど悲惨な内容だった。

ボコボコされたくないから最下層の4部に参戦、結局はボコボコされて終わり、5部があって欲しいかった。いやいや、参加したほうが間違い、無力感が頂点に達した。

その中の一ペアと対戦後、気さくな彼女達は気遣いながら私達に声を掛けくれた。

その会話の流れて、私の心をぐっさと刺された「バドミントンはまだ始めったばかりですか?」と聞かれた瞬間に複雑な思いが湧き出して逃げたかった。

そこに自分のカッコ悪さを粉飾したかったから、咄嗟に「はい。」とパートナーが答える前に言った。

相手は悪気がないと分かっている。自分の平常心が傾けってなければ笑い一言も言えたかもしれないのにね。

その場を離れ、パートナーと顔を合わせた途端に二人は失笑した。

「ちいんさんのあの『はい』は速かったね」

「当たり前でしょう、バドミントン教室を含めて少なくても週3の練習を何年もして来た実情は恥ずかしくて言えないわ。」

本心を隠さずにパートナーに言った。

その後、先輩から聞いた話で、対戦した3ペアは上部から降りって来た人のようだ。

シンニアのバドミントンは年齢区切りと部区切りがあって、小さい大会は部区切りが多いようで、4部が初心者、1部が上級者だ。しかし年齢は重要な考慮要素で、年齢により自己申告で上の部から下の部に降りられる制度が設けられている。

そうか、それが相手の足元にも及ばない理由の一つかもしれないだ。だからって何も思うが、心は少し軽くなった。仮にそれが嘘でも、噓も方便だ。

試合は勝ち負けだけではない、試合を通して人生学をいっぱい学べる。

単純に勝ち、負けなら、負け試合の方が普通で、だからたまに勝つと嬉しい指数がぐん~と上昇する。それがあるから三日坊主の私はバドミントンを続けてこられたと自分は思う。だけど、勝っても負けても晩酌の一杯のビールでリセットするのだ。

もう少し頑張りたいから、ビール一杯でリセットするスタンスに今回も変わらない。

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