三位決定戦に勝った瞬間、彼女達の喜びは頂点に達した。勝者サインをした後、応援する仲間の所に駆けつけ、長身のA子さんは真っ赤な顔にして涙が溢れ、小柄の私は彼女を両肩を抱き、背中を優しくポンポンと叩いた。
「良かった。本当に良かった。コーチが一番嬉しいと思うよ」私はA子さんの嬉しい泣きにもらい泣きをした。
A子さんのペアB子さんも目に涙が滲んだ。仲間らが彼女達を囲んで拍手をした。
昨日は地元のバドミントン大会のトーナメント戦だった。
A子さんとB子さんは昨年からベアを組んで4部の試合に。わけのわからない中で惨敗を喫した。
お二人のバド歴は十年以下、謙虚さを加味してここでは彼女達を初心者カテゴリーに。
A子さんは試合参加にいつも消極的だった。彼女は試合好きじゃないタイプかなと思ていた。しかし共に教室を通ってバドミントン談義をしているうちに、それは私の誤認かもしれないと気づいたのは、彼女が発した「試合に出るならちゃんと練習して上手になってから出たいね」の一言に思っていたことを改めた。
そうか、試合に参加したくないではない、負ける確率が高いなら出たくない、つまり参加する意味がある側に立っていない、どちらかというと試合に勝ちたい側の人だとか。
憶測せず、その場ではっきり確認しても良かったではないか?
確かにそうですが、私の直球すぎる性格は相手をいっらとさせる可能性があるに自覚しているから、ほかの人もいる時に気安く物事の核心に触れない方がいいと思った。
だが、私達はバドミントンを上手になりたいという共通認識、目標は確信済みだ。
根拠として、週1のチーム練習のほかにあちこちで練習の場を求めている。人によって複数のクラブチームに入っている。ちなみに私は現在三つに所属しているのだ。
A子さんとB子さんは昨年の苦い経験を糧に奮起した。バドミントン教室のほかに、チーム内で私ともう二人が賛同して月1のプライベートレッスンを取り入れた。
コーチは私達のバド熱に親身にコーチングしてくれている。
上目線のつもりは全くないが、彼女達は練習に対する意識が明らかに変わった。
自習練になれば時々上手な先輩に見てもらえるようにお願いする。指摘されたところは丁寧に何回もやり直しをし、体に覚えさせるために少しつつ復習を重ねて行った。冗談抜きで、高校三年間の勉強がこの姿勢でやり抜けたら東大合格したじゃないかと思うほどに頑張っている。
彼女達はグループ戦を全勝してトーナメント戦の切符を手に入れた。
正直に、グループ戦の全勝はすでに大金星だった。彼女達は口にはしなかったが、あと一歩前進したい気持ちは誰にも負けっていないと雰囲気でひしひし伝わて来た。
同じ道を歩んできた私は理解している。すべては自分自身の努力検証と違う景色を見るためだ。
三位を勝ち取れたは間違いなく努力の賜るものだ。
A子さんが我慢できずに嬉しい泣きをしたのは努力が報われたと極限の緊張感が解き放されたに共感する。
いつも一緒に練習している仲間として心底から拍手を送ると更なる上のステージへの応援をいつでもしています。
来年も一緒にいい景色を見よう!