男性陣がいるクラブチームに入っている。彼らの対戦に惚れ惚れする。際どいコースを狙う、レシーブする。強烈なスマッシュを平然と打ち返す、おばさん組の目には「かっこいい!」しか映らない、それとあのように打ってたら楽しいだろうねと羨ましそうに呟く。
混合ダブルスの試合に参加することもあるから、よく誰かと組んでゲーム形式で練習する。まあ、正直に私と組む場合、パートナーと相手にとっては遊ぶ、練習にならない。でも私には練習になる。付き合わせてもらうに申し訳ないと感謝だ。
若かったごろには言ってみる、お願いしてみるが苦手で、中高年にった今はわりと言えるようになった。まあまあ他人本願に甘える。この男性陣の力を借りて少しでも技術力の向上に繋がりたいだ。
だから対戦相手の男性にスマッシュを交えて若干厳しい球をくださいをお願いする。
ここでは「若干」をリクエストする。目的は徐々に慣れることだ。
快諾してくれた。
いざ始まると、パートナーが相手に高く上げた球は、私のお願いしたスマッシュが来ると予想する。自然とラケットを強く握る、これは絶対にダメと分かっていてもそうなる。ビビりまくっているからだ。私にとっての高速球は目から逸らしたくなる、それだけではない、一回目は体を回転して背中を相手に向けた。きゃ~は口から出なかったが、明らかに逃げた。
場外は笑いが起きた。
チちゃん頑張れ!爽やかな応援声が聞こえた。
私は明るく、悪い、悪い、次は絶対に取るからと相手に言った。本気度を示すと気遣ってほしくなかった。
ラケットの面が強いスマッシュに軽く当てるだけで球がポンと返せる、問題は当てるタイミング。
この日のゲーム形式では一度も出来なかった。基礎打ちの時は出来たのになあ、平常心を保てないから歯がゆいもあるが、素早く動いてレシーブの準備に入ってないが根源だ。この課題は改善したいと抱いたままに自転車のペタルを踏み、迎え風を切って帰宅した。